2014年4月25日金曜日

Spotting at Haneda (12,13/04/2014) Vol.1

東南アジア・欧州方面の中・長距離国際線の昼間運航が開始された2014年4月12日、13日の羽田空港国際線ターミナルから。
 
[Singapore Airlines AirbusA330-300 9V-STG]
早朝の羽田へ降り立つシンガポール航空。2014年夏ダイヤより早朝の便の出発時刻を繰り下げ。関東圏であれば公共交通機関の始発を利用すると間に合う時間帯になった。
 
 
[Singapore Airlines AirbusA330-300 9V-STJ]
こちらは夕方出発の便。弊ブログでは既に触れている通り、シンガポール航空では2014年夏ダイヤより羽田便を1往復増便。羽田~シンガポール路線は1日3往復の運航となった。
 
 
[Thai Airways International Boeing747-400 HS-TGR]
2014年夏ダイヤより昼間運航便を開設したタイ航空。旺盛な需要に応えて、午前便、深夜便ともに写真のBoeing747-400で運航される。
 
 
[Philippine Airlines Boeing777-300ER RP-C7774]
2014年夏ダイヤより羽田乗り入れを果たしたフィリピン航空。こちらも旺盛な需要に応えて大型機での運航を行う。写真は5月までの期間限定で運航のBoeing777-300ER。
 
違和感満載のこの風景。1年前、これを羽田で見ることができると誰が予想できただろうか...
 
 
[Philippine Airlines AirbusA340-300 RP-C3437]
こちらは上記のBoeing777-300ERが運行されない日に飛来するAirbusA340-300。城南島で撮影。
 
 
[Korean Air Boeing777-200ER HL7531]
大韓航空のソウル(金浦)路線も機材大型化。早朝は写真のBoeing777-200ERが活躍。需要の落ち込みで、成田ではしばらく見かけなかった機材で、久しぶりに撮影することができた。
 
 
[Korean Air Boeing777-300 HL7532]
昼便はさらに大型のBoeing777-300。かつてはBoeing747-400が活躍していたが2013年冬スケジュールからBoeing777へ変更された。
 
 
[Hongkong Express AirbusA320-200 B-LPG]
深夜時間帯の運航から早朝へ移された香港エクスプレスのA320。香港エクスプレスは昨年冬ダイヤで羽田へ初就航した、香港航空系のLCC。
 
 
[Cathay Pacific Boeing747-400 B-HOR]
キャセイパシフィックは羽田便の堅調な利用実績に応え、2014年夏ダイヤから1日2便をB747-400で運航する。
 
 
[Air France Boeing777-200ER F-GSPZ]
2014年夏ダイヤで羽田へ乗り入れを果たしたエールフランス。早朝便は週3日の運航で写真のBoeing777-200ERが担当。エールフランスは主に拡張されたサテライト部の出発ゲートを使用する。
エールフランスのBoeing777-200ERといえば、現在新客室への改修が順次進められている。ビジネス需要はあまり強くない東京便であるが、いずれは羽田便へも改修済みの機材が投入されることになるだろう。
 
 
[Air France Boeing777-300ER F-GSQU]
2014年夏ダイヤで成田より移管されたエールフランスのスターウイング。欧州便で日本を夜に出発するスケジュールで飛んだのはエールフランスが初めてで、その便も羽田へ移管された。
 
こちらは、引き続き毎日運航で、機材もBoeing777-300ERが継続して使用される。
 

[Lufthansa AirbusA340-600 D-AIHN]
エールフランスとともに2014年夏ダイヤより羽田へ就航したルフトハンザ。ミュンヘン路線を成田から移管し、フランクフルト路線を新規に開設した。
 
写真はミュンヘンから到着したAirbusA340-600。
 
[Lufthansa Boeing747-400 D-AIVW]
こちらは、フランクフルトからD滑走路に着陸後、長いタキシングを経て到着したルフトハンザ航空のBoeing747-400。

フランクフルト便は成田便と羽田便の2便が毎日運航され、機材はどちらもBoeing747-400が使用される。成田便は、現在関西空港経由での運航となっているが、7月に直行便へ戻されることになっている。また、供給過剰となるために昨年夏ダイヤまで運航されていたAirbusA380は日本路線から事実上撤退することになった。
 
 
[British Airways Boeing777-200ER G-YMMG]
シンガポール航空同様に、2014年夏ダイヤより出発時間を繰り下げたブリティッシュ・エアウェイズ。引き続き、羽田便はBoeing777-200ER、成田便はBoeing777-300ERでの運航が継続される。
 
 
次回は日系エアラインの機材を紹介。お楽しみに。

拡張が進む羽田空港国際線ターミナル

2014年4月1日から中・長距離の国際線の昼間運航も開始。
ターミナルの一般エリア(非制限エリア)と、駐機場の風景の変化をさっそく調査してきたので紹介。
 
開業から3年半。羽田国際線ターミナルもすっかり羽田の風景に溶け込んできた。
 
 
チェックインカウンターエリア。今回の拡張で写真の北側のエリアが拡張された。奥のボードで覆われている部分は一般エリアの工事中。今後、新たにショッピングゾーンが増築される予定。
 
 
拡張部分。新たにカウンターJ,K,Lが追加。撮影時はエミレーツ航空がチェックインを終了し、片付けに入るところだった。
 
 
乗り入れ会社数が増加すると、当然手荷物検査や出国審査にも時間がかかるようになってしまうが、国際線ターミナルでは北側に新たに出発口を追加して対応する。
 
 
 
2階の到着エリアも北側へ拡張。国内線乗り継ぎサービスに関する設備が大幅に強化される。
 
 
 
続いて屋外へ。増築されたエリアの夜景を見る。国際線ターミナルの開業で羽田の夜景も大きく変わった。
 
 
こちらは昼間にモノレールより撮影したもの。西側から増築部分を見ると、本年秋に開業するホテルが建設中であることが分かる。
 
このホテルは、国内初の国際線乗り継ぎ機能を持つホテルとして開業することになっている。一部の客室はターミナルの制限エリア内に設置され、海外から到着して海外へ飛び立つ場合に入出国審査を経なくても利用できるようになる。
 
 
中長距離国際線の昼間乗り入れ開始に伴って、乗り入れ機材も大きく変化。朝の運航に備え、ANAのロンドン行きBoeing777-300ERと香港行きBoeing777-200ERが肩を並べる。
 
 
逆に、これまでメインだった深夜便は微減。深夜発だったJALのパリ行きは出発が昼間時間帯へ変更となった。

写真はバンコクへ向けて出発準備中のBoeing767-300ER。新しい客室へ改修されたSKYSUITE767で運航される。
 
 
展望デッキは引き続き24時間開放される(警備上の理由で閉鎖される時は除く)。朝日を浴びて早朝の羽田へ降り立つシンガポール航空のA330-300。
 
  
同じく早朝の羽田へ降り立つエールフランスのB777-200ER。

ほとんどの欧州便が成田から羽田へ引っ越してきたので、東京スカイツリーと欧州の航空会社の機体とのツーショットは今後容易に撮影できるようになる。

RWY34L/RとRWY05使用時、欧州便は離着陸ともに原則RWY34Rを使用。
 
 
次は国際線ターミナルの風景を反対側の国内線第1ターミナルから眺める。写真は到着したばかりのタイ航空のB747-400。今回の拡張では成田から移管された欧州便と東南アジア便の多くが昼間運航に加わる。
 
 
手前に写っている機体は国内線の機材だが、その奥に注目。羽田国際線ターミナルの増築エリアに留め置かれていた機体の置き場所がなくなったため、旧B滑走路のエリアへ移設された。

このランプは、前日の夜に到着し翌日の朝に出発する機材が夜間駐機するのに利用する場合や、逆に朝到着してよる出発する機材の駐機場所としても利用される。
 
 
折り返し、早朝の出発でパリへ戻るエールフランス機。
 
同社は4月1日以降も、引き続き成田へA380を投入しており供給過剰になるため、羽田の昼便は週3便の運航に留めている。
 
この早朝便、かつての成田のA330運航便を思い出すのは管理人だけだろうか...
 
 
昼間運航便に変更された羽田発着のJALパリ便。充当されるB777-300ERが出発ゲートへトーイングされてきた。JALも、欧州便の羽田運航に伴ってB777-300ERの羽田運航を本格化させる。

この日のパリ便担当のJA740Jは、6月にブラジルで開催されるワールドカップへ向けて侍ジャパンを応援するロゴを付け活躍中。
 
 
欧州便と東南アジア便の多くが離発着する午前中。羽田国際線ターミナルが最もにぎやかになる。写真はドイツのミュンヘンより到着し、ターミナルへ向かうルフトハンザ航空のA340-600。
 
 
フランクフルトから到着のB747-400と翼を並べる。羽田ではこれまでになかった光景。
 
 
パリへ出発するJAL機。滑走路長の制約からB777-300ERやA340-600、B747-400の欧州便は離陸にC滑走路を使用する。このときはRWY16L/R,22,23使用時だったので、RWY16Lを使用。羽田でも今まで見られなかった低い上がりを撮影できるようになった。
 
 
ロンドンより到着するANAの欧州便。会社を問わず、欧州便は東北から南下して羽田へ向かうため、国内線の新千歳便同様に、RWY34L/R,05使用時は着陸もC滑走路利用。(RWY16L/R,22,23使用時はD滑走路のRWY23を使用。)
 
 
 
次号では機材面の変化をもっと詳しく紹介。お楽しみに。

2014年4月20日日曜日

New Cabin of Singapore Airlines

2014年4月7日(月)~4月12日(日)の間、羽田~シンガポール路線増便と成田~シンガポール路線への新客室機材投入を記念し、シンガポール航空自慢の新客室展示イベントが行われました。

このイベントはファーストクラスの新座席を共同開発したBMWグループの子会社(Designworks USA)と共同で行われたもので、実際に展示会場ではBMWの自動車も展示されていました。

早速見学に行ってきましたので、その様子をご紹介します。

1)会場概観
まずは外観。シンガポール航空らしい落ち着いたデザインの看板が迎えてくれます。


もはやこのブログではすっかりおなじみになったシンガポール航空のロゴ。


会場内観。各クラスごとに新客室で使用する座席が展示されていました。


それでは、以下新客室の各クラスごとに概要をご紹介します。

2)ファーストクラス
ファーストクラスは、BMWグループのDesignworks USA社が開発を担当。前世代のシートデザインを活かしながら、自動車の内装メーカーらしく使いやすさ、座り心地についても極限まで追求されています。

概観。シートが大きすぎるため、写真で見ると狭く見えますが、実際はかなり広いです。ANAが誇るIOJのFirstClassやJALのSKYSUITEとは比べものにならないほど広く快適で、現行の大型旅客機に載せられる限界を目指した座席と言えるでしょう。







モニター周り。我が家のデスクトップよりも大きいIFE用のモニターが迎えてくれます。


電源の位置や各種ポートの位置も邪魔にならない位置に設置してあります。大きなテーブルは高さ調整も細かくできるようになっています。


照明。乗客の耳の高さに設置してあり、読書灯として使えます。この照明はいかにも自動車メーカーらしいデザインで、BMWのセンスが光っています。照明の横にはイヤホンジャックを配置。飛行中の騒音をノイズキャンセリングするため、3ピンのイヤホンに対応した仕様になっています。


ファーストクラス座席の内側。照明の他、イヤホンを掛けるスペースと座席(フットレスト、レッグレスト含む)の位置を調整するパネルを配置。これらは全て必要なときにすぐ手が届く位置に配置されています。


ベッドポジション。もちろん完全フルフラットになります。あまりにシートが大きいので、標準的なアジア人だとダブルサイズベッドとして使えそうです。


テーブルをセットした状態。いつか乗ってみたいですね。


最後はファーストクラス全景。ANAのIOJで使用されるファーストクラスと似ていますが、サイズと快適さは別次元です。


3)ビジネスクラス
シンガポール航空のように長距離の国際線を運航する航空会社にとって、一番の収益源であるビジネスクラス。開発はJames Park Associates社が担当。

もちろん開発には相当力を入れていて、ANAやJALはもちろん、世界的にも評価の高い中東の強豪3社(エミレーツ、カタール、エティハド)のビジネスクラスと比較しても、かなり競争力のある商品に仕上がっていると感じました。

概観。

他社がスタッガード配列やヘリンボーン配列を採用して、乗客1人当たりの占有面積を減らしつつ見かけのスペースを広くする戦略をとっているのに対し、シンガポール航空は1人当たりの占有面積を大きくしてそのままスペースを広くする正攻法をとっています。そのため、一見するとファーストクラスとほとんど変わりません。


シート背面。ファーストクラスほどではありませんが、前代のシートよりサイズは拡大しています。


IFEのコントローラ等の配置スペース。新客室のIFEはパナソニックアビエーション社の最新バージョン、ex3シリーズを採用。コントローラも従来のボタン式からスマートフォンと同様のタッチパネルタイプになりました。

また、テーブルについては、ビジネスクラスでは横から引き出すスタイルをとっているようです。


ファーストクラス同様に照明やイヤホンジャックは乗客の耳の高さに配置。


ベッドポジションにセットした状態。シート自体のサイズが大きいため写真だと狭く見えますが、実際はスペースにかなり余裕があります。


ベッドポジションにすると、フットレストが足をしっかりとサポートしてくれます。


座席を斜め後ろから観察。乗客が長時間快適に過ごせるよう、極限まで作りこまれています。


最後はビジネスクラス全景。背面のデザインが独特ですね。シンガポール航空ではこの座席を1-2-1アブレストで配置しています。


4)エコノミークラス
最後はエコノミークラス。最も多くの乗客が利用するクラスで、各社とも乗客がギリギリ許容できるレベルまで快適性を抑え、最大限の収益を得ようとします。

しかし、シンガポール航空の乗客はギリギリ許容できる快適性の要求レベルでさえ、他社と比較して非常に高く、今回の新座席は、その要求に見事に応えたものに仕上がっていました。

概観。

基本的なデザインは前代のものを踏襲していますが、腰周りと頭周りのサポートが強化されてより快適な座席となっています。また電源の位置も、これまでの肘掛から座面下部へ移されたことで、使いやすくなりました。


背面。モニターは前代からさらに拡大され、11.1インチになりました。さらにタッチパネル対応になっています。


新座席になって最も進化したのはIFE。パナソニックアビエーション社製のex3を装備し、インタフェースも進化しました。


最後はエコノミークラス全景。シートピッチも前代からさらに拡大。ANAのIOJやJALのSKYSUITEと比較してもかなり余裕があります。



さらなる収益性アップのため、最近はエミレーツ航空を含む他社の多くが、Boeing777のエコノミークラスを9アブレストから10アブレストへ変更する動きがある中、シンガポール航空は快適性を重視し9アブレストを維持しました。エコノミークラスも現状の大型旅客機での理想形といっても過言ではないでしょう。


というわけで、シンガポール航空の新しい客室をご紹介しました。この客室は現在、以下の機材と路線で体験することができます。

[導入機材]
新造のBoeing777-300ER型機
※2014年4月現在、9V-SWU、SWV、SWWの3機が活躍中。

[導入路線]
シンガポール~ロンドン路線(SQ318/319)
シンガポール~東京成田路線(SQ638/637)
シンガポール~ムンバイ路線(SQ423/424)※2014年5月30日まで
※記載路線であっても、()内の便以外は対象外。

管理人は次回遠征にてさっそく上記機材を体験する予定ですので、その様子は後日改めてレポートします。お楽しみに!